Dearest
ポカンとその場に立ったままのアキの元へ友達が駆け寄る。



「アキ!今のが旦那様?超カッコいいんだけど!!強いし」



一瞬にしてホールにいる女の子達を虜にしたアシュリー。




「…まぁ、そんな感じかな?」



アキはまさか息子とは言えず、適当に相槌を打っていた。



アキは問い詰める友達やらをあしらって私服に着替えると、アシュリーのコートを羽織り校門へ向かった。



校門に着くと、女の子に囲まれているアシュリーとレオンが見えた。


アシュリーはアキに気付くと女の子達を押し退け、レオンをその場に残し、アキに歩み寄る。




「偉い偉い。ちゃんとすぐ来たな」


アシュリーはアキの頭をポンポン叩く。




「アシュリー、ありがとね。それとごめんなさい」

「…あぁ、俺も悪かった」

「それにしてもさすがアシュリーね。ホールでもモテモテだったし、今もすごいし」

「女に興味はない。…ほら、帰るぞ」



アシュリーはそう言うと、アキの手を取り歩き出す。



すごい数の視線を感じるアキはアシュリーに隠れながら、女の子達の前を通り過ぎた。




「置いてかないでよ〜」



レオンは2人に駆け寄り、3人は並んで歩きながら帰った。




「それにしてもアシュリーは心配性だよな」

「本当だよね。アシュリー、あたしのお父さんみたい」



その言葉にへこむアシュリー。




「確かにホワイトガーデンにいた頃から、オヤジくさかったよな」

「大人びてたって言え!!」



アシュリーはレオンを蹴飛ばす。
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