Dearest

4・世界で1番好きな人

何かと騒がしいエンドロール家。



今日は連休という事だけあって、仕事のラヴとサッカーサークルの試合に行ってるレオンを除いた3人は家でくつろいでいた。



だが、サミュエルは音楽を聞いたり、楽器を弾いたりして部屋に閉じこもりきり。




「アシュリー、サミュエル呼んできてよ。部屋に閉じ篭もってばかりは良くないわ」

「自分で行けよ。面倒くせぇ」

「あたしが言っても駄目だったから頼んでるんでしょ!アシュリーお兄ちゃんなんだから」



アキの言葉を無視したアシュリーは、ソファに腰掛けながら煙草に火をつける。



そんなアシュリーを膨れっ面で見据えるアキ。




「ほっとけよ。腹減ったら出てくっから。サミュエルも子どもじゃねぇんだからさ」

「もう!頼りにならないな、アシュリーは。レオンなら快く行ってくれるのに」



アシュリーに呆れたアキがサミュエルの部屋に行こうとすると、家中に爆音が鳴り響いた。


驚いたアキは階段の中ほどから落ち、アシュリーは煙草の煙りを思いっきり吸い込んだ。




「げほっ…なんだなんだ!?おい、大丈夫かアキ」



階段にやって来たアシュリーは、階段の下に転がるアキを抱き上げる。




「いったーい…。何、この音…」



家にはまだ爆音が鳴り響いている。



アシュリーとアキは耳を押さえながら、音のするサミュエルの部屋へと向かった。
< 184 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop