Dearest

11・記憶

PM8:00。

夕食を終え、リビングでくつろぐエンドロール家。



ソファには足を組むラヴと煙草を吸うアシュリーが座り、ソファの下ではサミュエルが新聞を読んでいる。



そんな穏やかな空気が流れているリビングには、時折アキとレオンの笑い声が響く。



「あははは!やだー」

「ぎゃはは!こいつらウケる♪」



2人はテレビの前でお笑い番組を観て涙を流しながら笑っていた。




「ガキだな。あいつら」

「アキは可愛いですが、レオンはうるさいです」



ラヴとアシュリーは爆笑する2人を見ていた。




「はぁ。うるせーから俺風呂入ってこようっと」



アシュリーは煙草の火を消すと、お風呂場に向かった。




「あっ!9時からラヴが出てるドラマ始まるんだ。レオン、番組変えるよ?」


「ラヴならそこにいんだから、それ見てなよ」


「そういう問題じゃないでしょ!リモコン貸してよ」



さっきまで一緒に笑っていたアキとレオンは、リモコンの取り合いを始めた。




「仕方ない。アキがチューしてくれたら番組変えていいよ♪」



そう言ったレオンは後ろからラヴに蹴飛ばされた。



アキはアシュリーがお風呂に入った事に気付くと、バスタオルを出しにお風呂場へと向かう。



「アシュリー、バスタオル出しておいたからね」

「わかった」



脱衣場から出ようとしたアキは何やら変な匂いに気付き、鼻に意識を集中させる。



「…ってアシュリー!お風呂の中で煙草吸わないの!!」

「わかった、わかった。もうあがるから出てけ」



アキは渋々洗面所を後にすると、リビングに戻った。



テレビではラヴが主演するサスペンスドラマが始まっていた。




「レオン、アシュリーもう出てくるからお風呂入ってきなさい」

「はーい。サミュエル一緒に入るぅ?」

「誰が入るか」



サミュエルに即答されたレオンは1人寂しく風呂場へ向かった。



そんなレオンと入れ替えに、綺麗なロングのブロンドの髪をタオルで拭きながらアシュリーがリビングに戻ってきた。
< 224 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop