Dearest
それから数ヶ月後。


就職活動が本格的に始まった季節を迎えたアキだが、沢山の幼稚園や保育所の試験を受けても結果は不合格。



不合格の理由は、保育の知識不足や彼女の人柄が原因ではない。




「やっぱり、孤児院を希望してるヤツが幼稚園や保育所受けたって熱意が伝わらないよね…」



そう、アキは『孤児院』を希望していた為、「何故貴園を志望したのか」という質問にいつも躓いていたのだった。



アキが溜め息をつくと、いきなり携帯が鳴った。



着信主は母。

この時の母からの一本の電話が、後にアキの人生を変える。



「もしもし、お母さん?」

「いきなりごめんね。アキ、今就活中よね?もう決まった?」

「まだだよ。全然ダメ。あたしね、孤児院を志望してるんだけど、孤児院の求人って少ないんだもん…」

「ならよかった。実はあなたにお願いがあって」

「何?」




何処にでもいる一般人、アキ。

彼女の世界を変える1番最初の言葉。




「ホワイトガーデンに勤めない?」




今、静かに
そして確実に

彼女の運命が変わった。
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