Dearest
しかし実家に戻ってきたら?とは言えないアキ。



親が望んでも、それを子どもが望まないなら強制は出来ない。



自分達で自立しようと家を出た彼らにそんな事は言えない。




アキが複雑な気持ちでいると、キズナが口を開いた。




「アシュリー達はここに住まないのですか?」



キズナの言葉に子ども達は目を見開く。




「私はアシュリー達とずっといたいです。お仕事で疲れているなら尚更ここにいて下さい」



子どもらしからぬ言い方をするキズナ。


でもそれは、キズナの心からの願いだった。




「ありがとうな、キズナ。…でも俺らは勝手に出て行ったんだ。それなのに仕事が疲れるからって帰ってくるような事は出来ないんだよ」



アシュリーはキズナの頭をポンポンと叩いた。




「嫌です!私はみんなといたいです。アシュリーはキズナは子どもなんだから強がらなくていいって言ってくれました。だから我が儘言います」




キズナは上目遣いでアシュリー、サミュエル、レオンを見つめる。
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