Dearest
アキは無事に空港に着き、飛行機に乗った。



「…こんなに普通に帰るんだっけ、あたし。何かがあったような気がするけど。……気のせいか」



アキは何かが引っ掛かる気がしながらも、そのまま日本へ帰国した。



そのまま日本の保育園に就職し、変わり映えのしない毎日を送る。




「…あたしの世界はこんなにちっぽけなまま終わるのか」



何かが違う。
何かが物足りない。


でもその何かがわからないアキ。




そんなアキが仕事を終え、家に帰りリビングに向かうと家には誰もいなく静かだった。




「…寂しい。見慣れた光景なのに…何でこんなに寂しいの?…誰かが必ずいてくれたような気がして…寂しいよ」



静けさに耐えられずテレビを付けると、映画の授賞式が放送されていた。


テレビに1人の外国人が映る。




「主演男優賞はラヴ=エンドロールです!」



長身に漆黒の髪、青みがかった灰色の綺麗な瞳。



アキはそれを見た瞬間

目を覚ました。





「…ッ…!!あれはラヴと出会わなかった時のあたしって事?……ラヴに出会っていなかったら…あんな寂しい人生になってたんだ…」




アキは恐くなって隣で眠っているラヴにすり寄った。
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