桜麗の社の影狐
「お前が何を企んでいようと、お前の好きにはさせん。」
はぁ?何言ってるのこのひと・・・
「突っ掛かってくるなぁ。なんで?」
「・・・俺の正義的に」
秋良の言葉に、紅蓮が吹き出す。
「ぷーー正義だってセイギ!ヒーロー番組かよ!?」
「小動物・・・!」
はぁ・・・また喧嘩し始めたらめんどくさいことになりそうだな。
「まあまあ・・・でも私、秋良と知り合えて良かったよ。それに、空木に会わせてくれてありがとう。」
秋良の目を見て話す。
「・・・ふん・・・狐と仲良くする気は無い。」
はぁ・・・いちいち突っ掛かってくるなぁこの人。
「秋良はなんで私のこと狐って呼ぶの?」
「・・・勘違いしないで貰おう。お前をここまで連れてきたのはお前の動向を探る為だ。」
秋良の言葉に紅蓮が答える。
「ほーそれで?一体どうするってんだ?」
「・・・それは明日までに考えておく。」
「「・・・・・・・・・・・」」
何この人面白い・・・
「そっか。じゃあ秋良もまた明日ね。」
笑顔で手を振る。
「・・・さらばだ。」
「・・・私達も帰ろっか、紅蓮。」
「ああ・・・」

てくてく歩きながら紅蓮に話しかける。
「面白い人だよね~秋良。」
苦笑いしながら紅蓮が答える。
「変わったヤツというよりは、ただのバカだな。でもあのメガネは要注意だな。油断すんなよ結羅。」
「うーん・・・でも会うと嬉しいよ?」
「あぁ?」
少し微笑んで答える。
「秋良だけじゃなくて、空木もだけど、会えると嬉しいの。・・・なんかさ、初めてだなぁこんな感じ。それに、一日で二人ともに会えて良かったね。私達結構運よくない?」
私の言葉に、少し考えて答える。
「・・・確かに運もあるかもしれねーけど、大体そうなってんだよ『宴』っていうのは。引き合うっていうか・・・波長みたいな?」
ビュウッと空風が吹き、落ち葉が舞ってくる。
「ふぅん・・・」

気になって、会えると嬉しくて、そして引き合うもの

『その時になれば自分で解る』

「・・・宴かぁ」



< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop