光と闇さえ叶わぬ願い

綺斗は、右目を眼帯で覆っている。
理由は分からないが、何か特別な能力が有るらしい。

「また急なご来店ですね。僕が不在の間、本家で何かありましたか?」

「特に変わった様子は…ただ…」

「ただ?」

「最近、世の中を"終わらせる"ことが多いと、闇が仰っていました。そこから光は、皆それぞれ日の合う時を見つけて、集まろうとの事です。」

言伝か…

「分かりました。僕はもう今月から講義も
受け持っていませんので、いつでも大丈夫です、とお伝えください。」

そして綺斗は、ハーブティーを飲み干してから
「承知した。」
と一言だけ言って席を立とうとした。

「あ、一つだけ!これは貴方に報告です。もうすぐ、氷の存在がみつかる筈です。」

そして真剣な顔つきになって、頷いた。

「協力感謝する、優。お代はまた…」
「いらないよ。今回の未予知で、僕も結構楽しませて貰ったからね。」

綺人は、訳も分からないという顔をしたが、直ぐに微笑み直し

「ありがとう」

とだけ言った。


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