Fragile~思い出に変わるまで〜
それでも子供が出来たら退職するつもりだったのに、なかなか出来なくて結局今に至っている。


人あたりはいい方だし、仕事もある程度出来て、後輩の面倒もわりとよく見ていたことから、上司からは重宝がられているようだった。


一応、主任という肩書きまで貰っているけれど、そんなのただ長く勤めてる証拠みたいで、なんだか気恥ずかしいだけだ。



――さてと、そろそろ昼休憩だな……


時計を見ると11時を指してる。


3交替で行くことになっている昼休みに、私は1番で行く日だった。


まだあまりお腹は空いていないけど仕方ない。


「お先にお昼休憩行ってきます」


そう隣の窓口の後輩に声をかける。


「いってらっしゃい!

ゆっくりしてきてくださいね?」


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