Fragile~思い出に変わるまで〜
後ろからそう声をかけると、彼女はまた可愛い笑顔をこちらに向けて返事をしてくれる。


「あ!お帰りなさい

ありがとうございます
では休憩行かせていただきますね?」


休憩に出た唯ちゃんを見ながら、癒される自分がいる。


若い子を見て、癒されるなんて私も歳とったな……


そう思って苦笑しながら、午後の業務にとりかかった。


私ももう若くはない。


健のことでこんなにヤキモキするのは、自分に自信がないからなんだろうか……?


ずっと私ばかりが健を思ってきただけに、健の本心がどこにあるのか、いつも不安だった。


はぁ……と小さく溜め息をついて、止まっていた手を動かしてお札を数える。


とりあえず間違えて残業にならないようにしよう。


美咲に早く聞いてもらいたい。


私は急いで仕事の顔に戻ると、いつもの凛とした声でお客様を迎えた。

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