Fragile~思い出に変わるまで〜
6時半――
ようやく業務が終了した。
思いがけず遅くなってしまって私は慌てていた。
――もっと早く終わる予定だったのに……
時計を見ながら焦って帰り支度を始める。
「お疲れ様でした!」
そう周りに声をかけて、職場をあとにする。
少しお金はかかるけれど、タクシーで飛ばせばまだ間に合う。
タクシーを拾って乗り込むとそのまま店に直行した。
ちょうど10分前に着くことが出来て、ホッと胸を撫で下ろす。
店のドアを開けると、いつもの席に美咲の姿を見つけた。
手を降って笑顔を見せると、美咲もまた私の姿を見つけて、ブンブンと振り回すように手を振ってくる。
懐かしい顔。
美咲の顔を見ただけで、なんか涙が出そうになった。