Fragile~思い出に変わるまで〜
「さとみぃぃ!」


懐かしいその声に思わず顔が緩む。


「みさきぃぃ!


負けじと大声で呼びかけ、近づいたと同時に美咲に抱き着いた。


「会いたかったよぉ」


思わず泣きそうになりながらも、ハグをする力は緩めない。


美咲は驚いた様子で、


「どした?なんかあった?」


と私の背中をさすりながら優しく聞いてくる。


「うん……

実はいろいろあったんだ……」


そう言うと、美咲はポンポンと軽く背中を叩いて私を落ち着かせてくれる。


それから両肩に手を置くと、ゆっくり私の体を引き離した。


私の顔を覗きこんでから、美咲はにっこりと笑う。


この笑顔を見ると、なんだかすごく安心した。


学生時代も何度となく、美咲のこの笑顔に励まされたっけ……


< 135 / 589 >

この作品をシェア

pagetop