Fragile~思い出に変わるまで〜
ザラザラした舌が、細かな指の振動が、私を快感へと誘い、その絶妙なタイミングに何度も昇りつめた。


乱れたシーツを掴む手を健の両手で押さえつけられ、さっきまで肌を這っていた舌が、今度は私の唇に差し込まれる。


クチュ……と唾液の絡む音がして、そのまま深く口づけられた。


酸素が足りなくて頭がボーッとしてくる。


意識が朦朧としてきたと同時に唇を離され、いきなり貫かれた。


「んはぁ……あ……あぁ!」


空気が肺を満たして、息苦しさから解消されたと思ったのに、別の苦しさが私を襲う。


それはやがて快感に変わり、漏れる声も淫靡なものに変わっていった。


「うっ……さとみ……愛してる」


そんな言葉さえも、空々しく聞こえるのはなぜなんだろう?


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