Fragile~思い出に変わるまで〜
私の表情が曇ったのに気付いたんだろうか?


彼が遠慮がちに聞いてくる。


「なんか……あったんですか?

奥さん、前に会ったときより痩せましたよね?

さっきも倒れてたし、どっか体調悪いんじゃ……

もしかして、そのことで課長に会いにきたんですか?」


ストレートに疑問に思ったことを聞いてくるなんて、いかにも25歳の若者らしい。


「あれ?わかっちゃった?
すごいねぇ、桜井君

一度しか会ったことないのに、私の変化に気づくなんて……

うちの主人なんか全然気づかないのにな」


明るく言ったつもりなのに、桜井くんは労るような目で私を見る。


そして思い立ったように、胸ポケットに手を入れて何かを取り出すと、それを私に差し出した。


「あの……迷惑かもしれないですけど、よかったら……

いつでも相談というか……話聞くんで……

もし、辛くなったら電話ください」


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