Fragile~思い出に変わるまで〜
立ち上がりかけた体をもう一度ソファーに預け、私はそっと息を吐く。
それから一緒に目撃してしまっただろう桜井に、口止めしなければと、顔を上げ声をかけた。
「桜井君……」
「……はい」
彼の目線はまだ窓のそとのままだ。
「今……見たことは誰にも言わないでもらえるかな?
……本人にも…ねっ?」
私は人差し指を唇に当てて、内緒のポーズをとる。
「それと……
私が来たことも内緒にしてくれる?
受付の女の子にはうまくごまかしといてもらいたいの」
両手を合わせて今度は拝むように頭を下げると、彼は仕方ないというように渋々頷いた。
「そのかわり、なんかあったら必ず電話してくださいね?約束ですよ?」
「うん、わかった
ありがとね?桜井くん」
こうして微笑むことが出来てるのは、彼のおかげだ。
あの二人が一緒にいるのを目撃して、傷ついてるはずなのに泣かないでいられるのは、桜井くんがそばにいてくれたから。
今の私には彼の存在が、本当に有り難かった。
それから一緒に目撃してしまっただろう桜井に、口止めしなければと、顔を上げ声をかけた。
「桜井君……」
「……はい」
彼の目線はまだ窓のそとのままだ。
「今……見たことは誰にも言わないでもらえるかな?
……本人にも…ねっ?」
私は人差し指を唇に当てて、内緒のポーズをとる。
「それと……
私が来たことも内緒にしてくれる?
受付の女の子にはうまくごまかしといてもらいたいの」
両手を合わせて今度は拝むように頭を下げると、彼は仕方ないというように渋々頷いた。
「そのかわり、なんかあったら必ず電話してくださいね?約束ですよ?」
「うん、わかった
ありがとね?桜井くん」
こうして微笑むことが出来てるのは、彼のおかげだ。
あの二人が一緒にいるのを目撃して、傷ついてるはずなのに泣かないでいられるのは、桜井くんがそばにいてくれたから。
今の私には彼の存在が、本当に有り難かった。