Fragile~思い出に変わるまで〜
いつもはうるさいくらい喋ってるくせに、今日は俺と目を合わせようとしない。


そんな桜井をどう扱っていいのかわからずに、気まずいまま並んで歩いていた。


「なぁ……なんか悩み事か?
それとも俺になんか不満でもあんの?

いつも元気なお前がそんなだと、調子狂っちゃうよ

なんかあんなら何でも聞くからさ

あんまり思い詰めんなよ?」


桜井はじっと俺の言うことを聞いていたけれど、やがて大きくため息をついた。


そしてゆっくりと口を開く。


「課長は奥さん大事にしてますか?」


急にそんなことを聞かれて面食らった俺は、首を傾げながらもその問いに答えた。


「えっ?……あぁ、一応、大事にしてるつもりだけど……?」


「そう…ですか……」


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