Fragile~思い出に変わるまで〜
「健太ぁ、ママね?足が痛いの

また明日来るから、今日は帰ろう?

もし帰ってくれたらぁ、プリンあるよ!」


健太の大好きなプリンを交換条件に、帰ることを交渉してみた。


健太はうーんと唸りながら、滑り台とプリンのどちらを取るかで、真剣に悩んでいる。


その真剣な様子が妙に可笑しくて吹き出しそうなのを堪えた。


悩んだ末、健太はどちらにするか決めたように、私の顔を見る。


「おれ、かえる!ママのプリンたべるから」


まだ3歳だというのに、どこで覚えたのか、自分を俺と呼ぶのが最近のマイブームらしい。


そして私を相手になぜか格好をつけながら、プリンがいいという姿が、またもや可笑しくて今度はほんとに吹き出してしまった。


するとバカにされたと思ったのか、健太が口を尖らす。


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