Fragile~思い出に変わるまで〜
「はぁぁ……」


もう一度深く溜め息をつくと、諦めてお弁当作りを再開する。


唐揚げを揚げ終わり、お弁当箱に卵焼きと一緒に詰めていく。


おにぎりは健太の好きな肉巻きおにぎりで、あとはきんぴらの春巻きとカボチャの蜂蜜煮を入れて完成だ。


水筒に熱いお茶を入れてバッグに入れると準備が出来た。


「健太ぁ!
お弁当出来たから用意してー!」


居間にいるだろう健太に声をかけると、すぐに返事が返ってくる。


「ママぁ、おれ、もうすっかりよういできてるし」


見るとしっかり洋服に着替えて、帽子まで被っている。


あとは靴を履けばすぐに出掛けられるくらいに完璧だ。


「わぁ、さすがに早いね?
動物園楽しみにしてたもんね!

一人で用意できるなんてお兄ちゃんだなぁ」


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