Fragile~思い出に変わるまで〜
何も答えずに俯いてる私を、彼は心配そうに覗きこんでくる。


私は彼のためにも今の気持ちを正直に伝えようと思った。


決心して顔をあげると、不安そうな桜井くんの目を見つめて言った。


「……ありがとう

気持ちは、すごく嬉しい

私のことを好きだって言ってくれたことも……

健太を大事に思ってくれて父親になるって言ってくれたことも……」


そこまで言うと、涙がじわりと滲んでくる。


鼻の奥がツンとした。


「でも……ごめんなさい
私の中で桜井くんへの気持ちは弟みたいな感情で、恋愛としての感情とは……違うの」


もう会えなくなるかもしれない。


そう覚悟しながら、私は自分の気持ちを伝えた。


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