Fragile~思い出に変わるまで〜



「ねえ、さとみはこれから、どうするつもりなの?」


日曜日の昼下がり――


彼氏もいなくて寂しい1日を過ごすのが嫌なのか、美咲は休みのたびに健太を口実にうちに入り浸っている。


こんなこと言ったら殴られそうだけど……と心の中で舌を出した。


「何よ……これからって」


ちょうど遊び疲れてお昼寝をしている健太の横で、美咲が買ってきてくれたベリーのタルトを食べようと、熱い紅茶をいれながらそう聞き返す。


「だーかーら!

健太が可哀想だと思わないの?

ずっと父親なしで育てていくつもり?」


また美咲のお説教が出たと、内心うんざりしながらわざとにこやかに言った。


「だって、美咲も桜井くんもいるし……

寂しくないと思うよ?健太も」


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