Fragile~思い出に変わるまで〜
おどけたように笑うと、途端に美咲の呆れたような声が飛ぶ。


「あんたねぇ、よくそういうことが言えるね?

桜井の気持ちわかってんでしょ?」


そこを突かれると痛いなぁと思いながら、こちらもささやかな抵抗をしてみる。


「あぁ、なんか誰かさんがグルだったやつ?」


動物園の一件は、美咲にきっちり物申したい。


教えといてくれたら、もう少し桜井くんを傷付けないような言い方が出来たかもしれないのに……


「しょうがないじゃん!
桜井が必死に私に来るなって言うんだから

ちゃんと私は無理だって止めたんだよ?」


「だからって、知ってたんなら事前に教えてくれたっていいじゃない!」


「だってさぁ、桜井がものすごく切なそうな顔して、相談してくるんだもん
子犬みたいで放っておけないよ」


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