Fragile~思い出に変わるまで〜
そう言って小さく首を振ると、美咲は必死に私を説得しようとする。


「そんなの関係ないじゃん!

意地張って、自分の気持ち押し込めて

健太がいるからとか思ってるのかもしれないけど、健太だっていつかは自立してさとみから巣立っていくんだからね!」


私の煮え切らない態度にイラついたのかもしれない。


美咲は少し声を荒げてそう言い捨てた。


「だって健が一人になって、もし私が必要なら向こうから連絡くれるはずじゃない!

ないってことは、もう私は必要ないってことなんだよ!

こんなこと言わせないで!」


怯むことなく自分の思いをぶつけると、美咲も負けずに思いをぶつけてくる。


「ならそうやっていつまでも健の思い出と生きてくつもり?

健がさとみを必要ないって思うんなら、違う人を見てみたら?って言ってんの!」


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