Fragile~思い出に変わるまで〜
パニックになる俺を尻目に桜井はにっこり笑って俺とさとみを交互に見比べた。


美咲は普通に桜井と接しているところを見ると、知らなかったのは俺とさとみだけってわけか……


さとみの驚く様子を見ていれば、彼女が知らなかったことくらい容易に想像がついた。


きっと桜井と美咲がグルになってこの計画を立てたに違いない。


そう思った時――


小さな男の子がさとみの陰から桜井に向かって走ってきた。


――誰?どこの子供だ?


ずいぶん桜井になついてるように見える。


足に抱きつくその子を緩く受け止めながら、桜井はその男の子に俺を紹介し始めた。


人見知りなのか、桜井に促されても仕方ないという感じで挨拶をしてくる。


俺は怖がらないようになるべく優しく笑顔で握手を求めた。


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