Fragile~思い出に変わるまで〜
「いろいろあって、健太が生まれて、俺は引っ越しとか就職先とか、何かあるたびに手伝わせてもらってたんです

4年経った今……健太もなついてくれてるし、俺……本気でさとみさんと一緒になりたくて……」


そこまで言って桜井は悲しそうに目を伏せながら、ポツリと覚悟を決めたように言った。


「結婚……申し込んだんですよ……俺」


「――っ!」


……結婚?


そこまで桜井は覚悟してたっていうのか?


他人の子供を育てようと決心させるほどに……


さとみを思う桜井の気持ちがひしひしと伝わってくる。


「でも……あっさり振られちゃいましたけどね?

俺が……彼女を幸せにしたかったんですけど……
……ダメでした」


悲しそうな瞳でフロントガラス越しの景色を真っ直ぐ見つめながら、桜井は小さく息を吐いた。

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