Fragile~思い出に変わるまで〜



「健太!用意出来たか?」


「うん……でもネクタイがうまく出来ない」


今日は健太の入学式。


いっちょまえにスーツを着こんでカッコをつけているが、さすがにネクタイまでは自分で出来ないようだ。


「どれ?貸してみな

やってあげるから」


そう言って近づくと、ネクタイはもう出来ているもので、結ぶわけじゃなさそうだ。


ホックでとめるようになっていて、それが自分では出来ないようだった。


「あー、これは一人じゃ無理だよな?

ちょっと待ってろ

すぐつけてあげるから」


そう言って、健太の首に手を回してネクタイをつけてあげる。


「はい!完成

出来たぞ

カッコいいなぁ、健太!」


すると嬉しそうに健太が答える。


「ありがとう!パパ!」
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