Fragile~思い出に変わるまで〜
「お忙しいのにすみません

ちょっと大人数で申し訳ないんですけど、撮っていただいてよろしいでしょうか?」


低姿勢でそう言うと、健の交渉には少し渋っていた彼が、笑顔で引き受けてくれた。


健は面白くなさそうな顔をしていたけれど、桜の木の下に行ってて?と促すと、渋々引き下がる。


私はもう一度その先生に向き直ると、頭を深々と下げて礼を言った。


「ありがとうございます!

よろしくお願いしますね?」


そう言って、私もみんなの輪の中に飛び込んだ。


「はい!いいですかぁ?
撮りますよー!

はい!チーズ!」


カシャッ!


「もう一枚いきまーす!
はい!チーズ!」


カシャッ!


健にしぶっていたわりには、ノリノリで撮りまくる彼に苦笑しながら、みんなでこんな風にいられる幸せを噛み締めた。


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