彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~

3・ガールミーツボーイ

◆ ◆ ◆

とにかく教室から遠くへ遠くへ離れよう。
中庭を横切り、グラウンドの端を駆け足で進む。
どこか静かなところで一人になりたいけど、何せ登校初日なのだ、校内の地理には疎く、行くあてはない。

「はぁっ、それにしても、ひっろい学校……」

小・中と、都会で猫の額みたいな狭さの学校に通っていた身としては、ゼイタクな土地の使い方だなあと思ってしまう。
感心しながら辺りを眺めていると、敷地のはずれに、そこだけ、木が密に繁っている場所を見つけた。

「なんだろ、あれ……」

なんとなく惹きつけられるものがあって、そこを目指してみる。
近づくにつれ、その森のような場所はわりと広範囲にわたることに気づく。
はじめは授業や部活の観察対象に使われているものかな、と思ったけれど、そういう様子でもなさそうだ。
かといって、まったく手入れされていないわけでもない。

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