愛しい声
*爽side*
席替え。俺の隣は和田。
かしてもらったレポートを見る。
いつもの和田の字とは
少しちがって殴り書き…?
「 ふふっ 」
徹夜でもしたのかな…?
思わず笑ってしまいそうになった。
*
「 起立。ありがとうございました 」
3時間目がおわり、次はレポートを提出する時間。
「 和田、あとで職員室こいよー 」
先生はそう言い残し、教室を出て行った。
立ち上がる和田。
「 和田さん。これ 」
和田に声をかける。
ぴくっと肩をゆらしてこっちを見る和田。
ドキッ。
「 あ、はいっ… 」
うつむきながらレポートを手に取る。
「 徹夜でもした? 」
「 えっ? 」
和田ともっと話したい。
さっきとはちがう驚いた表情になる和田。
「 字がちがったから♪ 」
かあっと和田の顔が赤くなるのが
見ていても分かった。
…可愛い。
俺よりも小さな身長、
少しくせのある髪、
そして、ころころ変わる表情。
ほかの女子とは何かちがう。
純粋な女の子。
「 ごめんごめんっ♪ 」
机につっぷす和田。
どんだけ照れてるんだよ(笑)
「 あ、職員室行かなくていいの? 」
はっと思い出す。
「 っ! あああああああ!! 」
急に立ち上がりダッシュしだす和田。
「 ふふっ 」
忙しい和田に俺は笑ってしまった(笑)
可愛いくらい…
愛おしいと思った。