天を衝く槍


「まだ続けるのなら脳味噌ぶち抜くよ」


カチャリと、チヤクの頭にアルの銃口がつきつけられる。


「相変わらず可愛い顔して恐ろしいこと口にするのね。怖いわ」


チヤクはクスリと笑って私を開放し、髪をかき上げる。


ヨースケはツァンジーと何か話をしていた。


「ところでジューシローは元気?」


チヤクが腕を組んで言い、思いがけないことを聞かれた私とアルは面を食らった。


何故シロさんが出てくる?


「げ、元気…デすよ?でも、」


「AliceとLunaの恋は実らねえよ?」


アルが怪訝な表情のまま私の言葉を紡ぐ。


それを聞いたチヤクは一瞬、キョトンとして、笑った。


「………………」


何が可笑しいんだ。


私はアルと顔を見合わせ、首を傾げた。


「知ってるわよ、そんなこと」


「は?」


彼女の発言にアルは眉間のシワを更に増やした。


「そういうのじゃなくて、あたしはジューシローに殺されたいの」


「……え…?」


今度こそ、私は彼女の発言にドン引きした。


「じゃぁ、ツァンジーの話も終わったようだし」


彼女はそう言い、また妖艶に微笑んで霧のように消えてしまった。


「……………」


「……………」


私は引き攣った表情を浮かべているアルと顔を見合わせる。


「……チヤクってドM?」


「イヤイヤいやいや、ドМどころじゃないだろ。あれは」

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