天を衝く槍
暫く沈黙が周りを包みこんだ。
「…………………………」
キールが言っていた、ガタが来たっていうのも、人体実験が関係しているのだろうか。
もしそうだとしたら、なんで彼がAliceの内部事情まで知ってるんだろう。
次から次へとそんな疑問が出てきて、もう、イヤになる。
「ソンジュさんってさ凄い人なんだよな。あの人がここに来てから、全てが変わった」
不意にギルが沈黙を破って、小さな声で言う。
「俺らを外の世界に出してくれたのもソンジュさんだし、壮年あたりの25歳までの人間を集めようって話を出したのもソンジュさん」
彼の表情が、長い前髪で隠れてて分からない。
「実はさ、俺たちが聖戦で生き残った―—」
ジルがギルの言葉を紡ぎ、途中で何かに気づいたように言葉を止める。
「―—いや、生き残させられた後、俺たちのコピーを創りだそうと言う話が持ち上がったんだよ」
ジルが遠くを見ながら言い、自嘲するように口角を上げる。
アルがジルを心配そうに見上げ、ジルは微笑みながら彼女の頭に手を置いた。
まるで、心配しないで、と云うように。
「そのことからも、俺らを助けてくれたのはソンジュさん」
ギルがシロさんの肩に頭を乗せ、目を落とす。
「…たぶん……ソンジュさんがいなかったら俺らはきっと、危険因子として処分されてた」
…処分…!!?
危険因子!!?
「僕たち前に色々したからねー」
困惑している私に、フィーネさんがあははーと軽く流す。
「………………………」
いや、あははじゃないですよ。
処分されるって、いったい何したんですか、アナタ方。
色々ツッコみたいことはあったものの、深入りするのは止めた。