あたしの旦那は保健医です!?
『ままぁ、どこー?』
「誰かに聞いてみよっか」
男の子は頷く。
「あの、すみません。」
まずは英語で話しかける。
『はい、どうしました?』
返ってきたのは韓国語。
韓国語……
かなり自信あります!
「この子の母親を探してるんですが、緑色のドレスで髪をアップしてる女性を見ませんでしたか?」
『んー、見なかったかなぁ』
「あ、そうですか。
ありがとうございました」
近くにいる人全員に聞き込みをした。
ドイツ語、中国語、英語、フランス語、韓国語、イタリア語、フル活用!
ちなみにスペイン語はちょっと自信なかったから英語で頑張った。
15人ぐらいに聞いても誰も見てないって言うしなぁ……。
『ママ、僕のこと置いて行っちゃったのかな?
ままぁぁっ、グスン…ウエーンッ、、、』
遂には泣き出し始めた。
「大丈夫、絶対に見つけるから!」
『グスン…本当?』
「本当。
じゃぁ、指切りげんまんしよっか?
日本ではね、約束の歌があるんだよ」
『歌?』
あたしはイタリア語になおして指切りげんまんの歌を歌った。
男の子は泣き止んで笑顔になった。
「もしかしたら、ガレージにいるかも。
最初にお姉さんと会った場所に戻ってみよっか」
案の定、そこには緑色のドレスで髪をアップにした女性が周りをキョロキョロしながら名前を叫んでいた。