ブラック王子に狙われて②
冬休みの宿題をしながら、
時折彼を盗み見して、眼福を味わう。
黙ってたら、文句なしのイケメンだもん。
「集中しろ」
「っ……はい」
盗み見してるのが、バレた。
「絢、英検何級?」
「英検?……3級?中学の時に取って以来、受けて無いけど」
「じゃあさ、来年、2級受けてみ?」
「にっ、……2級?無理じゃない?その間に準2級あるよ?」
「準2は3級に毛が生えたくらいだから、受けてもそれほど意味がないよ」
「……そういうものなの?」
「……まぁ、自論だけど」
不敵に微笑む彼。
きっと彼の脳内は、私なんかが想像できないような構造になってるはず。
数日前に『プロポーズ』的なことを言われた。
彼が思い描く将来図に、何故か私が必要なんだと。
正直それを聞いて、めちゃくちゃ嬉しいし、
どう言葉で表現していいのか分からないくらい倖せなんだけど。
まだ17歳という年齢で、
進学先だけでなく、将来を決めていいのか、分からない。
帰宅して、親に報告相談してみて。
『パティシエ』や『医師』や『保育士』みたいな専門職なら
この年で将来を決めて進路先を決めるのだから、
決して早いわけではないと教わった。