ブラック王子に狙われて②
中間試験終了日。
これまでのモヤモヤが少しずつ打ち消されたこともあって。
中間試験は今までにない手ごたえを感じた。
慧くんを支えるための礎を自分の力で培うということを。
だからこそ、今は一切妥協せずに勉強に打ち込んでる。
最近試験対策をしてても、
殆ど彼に質問することがなくなった。
そりゃあ、多少なりとも分からないことはあるけれど、
基礎部分が出来上がってるからなのか、
分からないところを調べる力も備わっているようで。
確か……この辺に書いてあったような?的に、
振り返る場所すら結構簡単に見つかるようになった。
彼が言う、『基礎部分は構築されてる』という言葉を思い出し、
目に見えない部分まで理解して把握してる彼のことをますます尊敬しちゃう。
「絢、試験、どんな感じ?」
「結構出来てると思う」
「おっ、絢にしては強気だな」
「あれだけ、頑張ったしね」
「フッ、……だな」
ポンと一撫でされ、胸の奥が温かくなる。
だって、ちゃんと心配されてるんだもん。
慧くん自身だって試験したわけだから
自身の結果も気になるだろうに。
いつも、私の心配は欠かさずしてくれる。
まぁ、彼にとったら余裕の試験なのかもしれないけれど。
人間、『必ず』『絶対』は無いと思うから。