ブラック王子に狙われて②


「ユウ、俺ら、あの店行くけど」

「あっ、俺らも行くっ!ゆず、アイス食べよっ」

「わぁ~い」


卒業式日和とでも言うのか、

今日はぽかぽか陽気で、コートが要らないくらい暖かい。

アイス専門店で購入し、歩きながらそれを頬張る。


「絢、一口ちょーだい」

「チョコ?レアチーズ??」

「レアチーズ」


立ち止まって彼女からの餌付けを待つ。

程なくしてリクエストのアイスが口に運ばれた。


「意外と旨いな」

「でしょ?」


初めて彼女にプリンを餌付けした時の事を思い出す。

あれから3年。

今では、当たり前のようになったこれも

小さな口で頬張る彼女が可愛くて、

ついつい食べさせたくなったっけ。


「慧くんの抹茶あずき、一口ちょーだいっ」

「口移しで?」

「はっ?//////いえっ、スプーンでっ//////」

「遠慮しなくていいのに」

「っ//////」


わざと揶揄ってるとは思わないのか?

3年経っても未だに照れてるし。

マジで、その顔、可愛いんだってばっ!


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