ブラック王子に狙われて②
天候にも恵まれ、観光日和。
千穂さん夫婦は新婚ホヤホヤのラブラブだから
気を遣って俺らは早速街へと繰り出した。
国際通りは観光客で賑わっていて
ユウ達とは別行動を取ることにした。
さて、俺らはのんびりとショッピングでも楽しむか。
「ん」
絢とはぐれないように左手を差し出す。
彼女をその手に指を絡めて来た。
「慧くん、結構混んでるけど大丈夫?」
「たまにはいいんじゃね?沖縄にまで来て、部屋に籠るとかアホだろ」
「フフッ、じゃあ、満喫しよう♪」
恋人繋ぎだけでなく、俺の腕をぎゅっと掴んで来た。
やっぱり外に出ると、解放感から密着度が増す。
まぁ、それも予測しての外出なんだけど。
「何か飲みながら歩くか。喉乾くだろ」
「そうだね、冷たいものでも」
さすがに気温も湿度も高い。
沖縄に来たー!って感じはいいけど
普段部屋に籠りっきりの俺らには結構きつい。
「慧くん、お揃いのアロハ買おうよ!」
「は?」
「ね?」
「それ、お願いごとを1つ消化するぞ」
「え……」