ブラック王子に狙われて②

ウミガメを見たり、イルカショーを観たり。

空いてる植物園内のカフェでランチして。

日差しがじりじりと肌を差す中、

絢と2人でのんびりエメラルドビーチを歩く。


青い空に浮かぶ白い雲。

エメラルド色の海に真っ白な砂浜。

リゾートワンピが風に靡き、

麦わら帽子を手で押さえる絢を見つめて。

足を止めた俺に合わせるように足を止めた絢。


「絢」

「んっ?」


手を繋いで隣りを歩く彼女が俺を仰ぎ見る。

そんな彼女に口づけを。

そして、ポケットから出した小さな箱を差し出す。


「何?」

「開けてみ」


形や大きさで何となく分かるだろうけど。


「わぁっ、凄く綺麗っっ!」

「貸してみ」


箱から取り出し、それを彼女の左手薬指に嵌める。


「今日で1周年だから」

「っ//////」


嬉しそうに照れる彼女の左手に収まった証にキスを落とす。


「ありがとっ/////」

「来年も再来年もその先もずっと、俺の絢でいて」

「っ//////……はい//////」

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