恋愛喫茶店 ~恋と一緒にスイーツを~

「皆、どうして?」


私には何が起こっているのかさっぱりわからない。急に喫茶店に皆が来るなんて、ミィからも聞いてなかったし。


「若宮からメールが送られてきてな。綾瀬があんまりにも元気なさそうな顔してたから、ちょっと元気付けてあげたいって。それで、暇な俺達は協力したってワケ。」


まだ、返事をもらえていない時の私の顔は、ミィから見ると元気が無くて、いつもの明るさが無かったらしい。


「クラス全員は集められなかったけどね~。あ、でも先生もそろそろ来てくれるらしいよ。職員会議終わったら行くって言ってたし。だから、綾瀬さん元気出してねっ!」


どうやら皆は、『綾瀬さん元気出してね会』をするつもりだったんだろうけど、元気の源はもう成瀬君からもらってしまっているわけで。


「あ、あの・・・凄く言いにくいんだけどね・・・」


ミィの気遣いと、クラスメイトの気遣いが嬉しかったから、逆に言いにくくなってしまう。これを言ってしまうと、私を励ますという目的で来てくれたのが無駄になるから。


「私、さっき成瀬君から電話かかってきて、OKの返事もらえたんだ。折角来てくれたのにごめんね。」


来てくれた皆に向かって頭を下げる。皆は何も言わずに、ただこちらを見つめるだけ。
20数人もいる喫茶店から、何の音もしなくなる。


「それじゃあ、お祝いってことでいいじゃないですか。」


私の後ろから声がした。振り向くと、マスターが生クリームたっぷりのガトーショコラを持って立っている。
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