俺の大好きなアイツ。
アイツに一体、何があったんだ?
何を一人でかかえているんだよ。
…そんなに俺は頼れねぇのかよ。
少しは相談しろよ。
「ハァハァハァ…」
俺は美術室についた。
「やっ…やめてよ!」
「溜まってんだよ…」
男女の声が聞こえた。
何だろう。
俺が恐る恐る、美術室を覗くと、
…桐谷………と、
この前、屋上で桐谷に振られた奴。
って、この状況は…?
「や…めっ……助けてっ…陸斗!」
陸斗って言った…のか?
「篠原なんか、言ってもこねぇよ」
「っ……」
俺の名前を呼んだのか?
俺は駆け出していた。
アイツが俺の名前を呼んでくれて、
嬉しかった。
だから、守りたいって思った。
「…だから、誰のもんに触ってんだよ。
 いい加減、諦めろよ」
後ろから桐谷を抱きしめる。
…幸せ…………
て、そーじゃなくて
「…今度、手出したら…殺す」
「っ!!!分かったよ!」
顔を真っ赤にして帰って行った。
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