俺の大好きなアイツ。
「大丈夫だったか…?」
とりあえず、話しかける。
安心したのもつかぬま…
桐谷から、発せられた言葉に
俺は驚いた。
「っ…余計なことしないでっ!」
腕を振りとかれた。
「は?」
「あの人、私の彼氏なのっ!…っ…だから
 邪魔しないでよっ!!」
あからさまに嘘って分かる。
てか、邪魔って…
「…お前、何があったんだ…?」
「そうやって、いつもクールにしてて…
 陸斗なんて大嫌いだよっ!
 …っ…もう私の前に来ないで!」
プチン
流石の俺でも、限界だ。
なんで、助けてやったのに
こんなこと言われないといけねぇんだ。
「…分かった。お前なんてもう知らねぇ」
冷たい目で言い放って
俺は美術室を出た。
途中、桐谷が
「っ…待って……陸斗っ…」
って言ったのは
怒っていた俺には
聞こえるわけもなく…
俺は教室に戻った。
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