俺の大好きなアイツ。
…良かった。
誰もいなくて。
俺たちは、屋上の雲が見えるイイ場所に
座った。
「最近は、寒いですねぇ~」
手をスリスリしながら美奈が言う。
「…そーだな」
「あっ!その卵焼き、美味しそ~っ!!!」
あ~
これか。
あのババアは料理“だけは”
上手いからな…。
あっ。
もう一回いっておく。
料理だけ、な?
後は……
出来ない…っていうより、
元の状態よりか、
かなり、崩れるから…。
「いるか?」
「…いいんですかぁ!?じゃあ」
「……?」
口を開けて待っている。
えっ? 何?
コイツは何を求めてるわけ?
「んもぉ~!!!“あーん”ですぅ!」
…えっ…………マジかよ。
でも、ここでしなかったら
愛想悪いって思われるかもだし…
もう、どうにでもなれ!
「ん…」
俺はご要望通り“あーん”をした。
「ん~っ!!!超おいひぃですぅ!」
「っ………!!!」
後ろから声がした。
俺と美奈が同時に振り返るとそこには…
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