Hurly-Burly3 【完】

でもね、サユ。

ここに来たのは誰でもなくあたし自身だ。

「さーちゃん、あたしが着いて来た。

偶然みんなに会ったのです。なので、

怒りの根源は全てあたしにあると言える。」

「なっ、あんたたち日和のストーカーなの?」

サユそんな目でみんなを見ないであげて。

みんなは何かご用があったみたいよ。

ストーカーだなんて滅相もないわ。

「日和ちゃん、サユリちゃん止めるのプロだね。」

これでも10年の付き合いになりますから。

力なく項垂れるサユにひしっと抱きつかれた。

「何もされてない?」

「ええ、一瞬危機が訪れたぐらいよ。」

あの鏡を持ったナル男に。

「何、誰に何されたの返り討ちにしてやるわ。」

いえ、そんなに怒りを露わにしないで下さい。

この場の人が全員下を向いたぞ。

みんな目を合わさないようにしちゃってるぞ。

「さーちゃん、マコ君と一緒に回っていた

のではなかったの?」

「日和が居なくなったって田中から聞いたのよ。」

えっ!?

居なくなっただと?

お前、田中っ!!

ギロっと田中に視線を移す。

「あ、えっと、ここ来る前に戻ったら日和ちゃん居なくて・・」

入れ違い!?

もしかして、後少しの辛抱だったのか?

それなら、待ってれば良かった。

「でも、日和ちゃんが無事で良かった。」

マコ君、キラキラスマイル。

「無事って・・・・」

あたしお子ちゃまだと思われてるの!?

幼稚園児の初めてのお遣いの時の親の顔だよ。

マコ君、完全にお父さん化してる。

「日和ちゃん、可愛いからさすがに焦ったんだよね。

サユもこの通りだしね。」

マコ君、サユにつき合わされたと見るよ。

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