Hurly-Burly3 【完】

「日和ちゃん、またね。」

馨君、次に会う時は愚痴を聞いてもらうことになるだろう。

「ヒヨリン、学校でな!」

ユウヤ、あんたも宿題ちゃんとやるんだよ!!

「・・ひよこ、電柱にぶつかる。」

もうぶつかりましたよ、京様。

「ユキコちゃんに連絡しよっと。」

伊織君、ほどほどにね。

「ヒヨリン、サユリンによろしくなっ。」

ナル君の可愛さにしばしのお別れね。

「・・・・最近、丸蔵見ねぇな。」

ちぃー君、確かに最近全然登場してないよね!!

「じゃあな。」

慶詩の後ろ姿にしばらく頭皮に不安を抱かなくて

済みそうだ。

とんでもなくどんちゃん騒ぎの夏が幕を閉じようと

しているのだった。

みんなの後ろ姿を見ていると中々サユ家に入る

ことは出来なかった。

結局、流しそうめんは来年に延期らしいが

あたしは来年もまたみんなと夏を過ごせる

と思うと来年の夏が待ち遠しくなった。

そろそろ、秋の匂いが漂ってくるんだろうか?

毎年リンリンと鳴く虫の声は少しずつ聞こえ

始めていた。

秋になったらまたみんなに会えるんだよね。

そしたら、きっと秋は行事がたくさんあるもんね。

その前に、やることは多そうね。

兄ちゃんの就職先を一緒に探してあげないと。

中卒で雇ってもらえるところがあるかしら?

父さんに似て続かない性格だからすぐに

辞めて来たらどうしよう。

あの兄ちゃんのことで手いっぱいになりそうです。

夜風が体を包み込むその瞬間、微かに見える

雲の隙間から流れ星が見えた。

たったの一瞬のことでお願いごとをすることすら

忘れて唖然と立ち尽くすのだった。

ああ、なんていい機会を逃してしまったのだろうか。



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