Hurly-Burly3 【完】

しかし、言ってなかったよね。

まぁ、あまり言う機会もなかったし。

「あたしの父さんが実はハーフでね、

父さんの母さんつまりおばあちゃんが外国の方で、

髪の色は元々黒ではなくてですね」

「何で黒にしてるの?」

ナル君があたしの髪を撫でる。

「えっと、いろいろあってね。その黒が一番

安全ではないかと思ってその・・・」

「昔、生意気な教師に散々文句言われたのよ。

それは染めた色だろ戻してこいってね。」

サユが今も思い出しただけ腹が立つわと言う。

「えっ、ヒヨリン?」

ナル君が悲しそうにあたしを見る。

「ふへへっ、世間的には良くない髪色だった

ということで、真っ黒に染めてやったんです。」

「でもヒヨリン・・・」

「地毛だって言ってやりゃ良かったじゃねぇかよ。」

慶詩、それが出来たら言ってる。

言っても同じことなんだよ。

小学生だったあたしが他の子と髪色違うと

いうのは世間的な目がどうとかいう話で、

あたしがいくらこの髪色好きだからって

周りから見たら可笑しいって思われるわけで、

黒に染めて塗りつぶした。

「今なら戻しても誰も何も言わないよ?」

「うん、それは分かってるんだけどね。

もうこの色で定着してるからいいの。」

「大丈夫よ、その教師殴ってやったから。」

サユはいつもあたしの味方になってくれた。

誰にも文句言わせないって言ってくれたのだって

すごく嬉しかった。

でも、あたしは黒に染めたんだ。

「サユリン小学生の時から・・・」

「さて、下書き始めますか。」

世間的なものが怖かったわけじゃない。

父さんを否定されたみたいで許せなかった。

あたしを侮辱されたところでケッて毒吐けるけど、

父さんやおばあちゃんまで嫌なこと言われるのは

あたしには耐えられなかった。

だから、心を殺して黒に染めた。

あたしの誇りを侮辱されるのを守りたかった。

< 347 / 457 >

この作品をシェア

pagetop