Hurly-Burly3 【完】



***




「ところで、本当に帰って来た理由は?」

俺の親友は訳の分からない男だ。

小さい頃からその変人っぷりには驚かされてきた。

もしも、この目の前に居る男が親友なんかでは

なかったら俺の人生はある程度平穏だったはずだ。

この7年間は本当に平穏な日々だったのだから。

「えー、だからさっき言ったじゃん。」

今も口を尖らせてベンチに座る。

ひーちゃんにジュース買ってきてと500円玉

を渡してペットショップの近くにある公園

の中に入ってきた。

「本当のこと言えよ。俺がお前のこと知らないわけ

ないだろう?」

前に日本を出て行く前、お前は言ってただろ?

自由を掴むんだとかキラキラした目で、

リュック一つ背負って白い歯出して、

行ってくるって言ったお前は本当に

自由の旅に出かけたはずだろ?

前から望んでいたことをお前はいきなり

辞めてこっちに帰って来た本意は何だ?

ただの気まぐれで帰って来たはずがない。

誰よりも自由を愛する男であるお前が

それをいきなり辞める理由が分からなかった。

「そうだなー、真には何もかも隠し通せるわけ

ないだろうな。でもな、真。」

透真が顔を真剣にさせて長い睫毛を瞬き

することなく呟いた。

「ひーちゃんのために帰ってきたのは事実だ。」

俺の親友はありえないほどのシスコンだ。

いつでもどこでもひーちゃんと叫ぶ。

可愛いと連呼しながら寝返りを打つ男だ。

「アイツが居なくなってからは2年経つ今

お前が来たところで何になるんだ?」

ひーちゃんを安心して託したアイツが、

2年前突然姿を消した。

別れも何も言うことなく俺の身近に居た

アイツは自分の一番大切な子を置いて消えた。

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