ある冬の日
さとちゃんがいろいろ話してる。
あー、でもなんだろ、興味ない人の話ってやけに長く感じる。全校集会とか始業式とかの校長の話とか、さっきの卒練での学年主任の話とかさ。
わたしはさとちゃんにバレないように机の下でケータイを見た。
あ、またヒロからメール届いてる。わたし返信してなかったのにな。
ふと窓側の前の席あたりを見る。
優也くんの後ろ姿。
ときどきね、ほんとにときどき。
わたしなんでこんな事にいちいち一生懸命になってるんだろうって思う。
ケータイで姿もわからないヒロとメールすることに。
……ケータイ。
ヒロ。
偽り。現実。
さとちゃんの話はまだ終わりそうにない。
もうすぐ学校の1日が終わる。
電源を切った、ケータイの。