生徒会長の裏の顔


「離して…」


後ろに下がるけど、腕は離れない。


「震えてる」


耳の横で、会長が呟いた。


「大丈夫です」


そう言うと会長は腕を離し、少し距離をとる。


「本当に?」


端正な顔立ちが、真剣な表情で言う。


私は黙って頷いた。


「わかった」


会長は私の左手を掴み、ゆっくりと歩き出す。


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