揺れる水面 映る月影は何処から
本人は似合っていないと言うが、実際は逆だ。
寧ろ、似合い過ぎている。
後ろと横が少し残し、残りは銀杏返しに結われた髪型に白粉が必要のない白い肌、薄く引かれた紅。
そして、白の牡丹が映える緋色の着物。
それらを身に纏う妃絽は何処の芸妓に劣らない程美しかった。
「い、いや、似おうてるよ」
「何でそんなに挙動不審なんだよ。あんたはムッツリなのか?そして、目はイカれたか?」
挙動不審な山崎を怪訝に思った妃絽は毒を吐いた。
せっかく綺麗な女の格好をして外見が変わっても、毒舌だけは変わっていなかった。
そこが少し残念である。