ブラックコーヒー
「へ…?」

「付き合ってる間もいろいろ不満や疑問はあった。でも我慢できたのは…俺だって本気で、早織が好きだったからだ。」

「斗真…。」

「…ありがとな、俺の方こそ。俺、早織にふられてなかったらあの子に出会えてなかったかもしれない。」



いや、出会ってはいた。

でも、今みたいな関係にはなっていなかっただろう。



「旦那と仲良くしろよ。」

「…うん。」

「じゃあな。」

「…バイバイ、斗真。」



俺はやって来たバスに乗ると、そのままバス停は振り返らなかった。

なんだかすっきりしたみたいだ。
今はなんだか、清々しい気分だ。
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