ブラックコーヒー
思えば、知り合った頃から自嘲的なところがあった。

自分を否定しているような。



『…君は、何が欲しいんだ…?』

『……温もりと、安心。』

『…温もりと…安心…?』

『愛が添えてあると…嬉しかったかもね。』



あの頃もきっと、苦しんでたんだ。


思えば、最初から美由里が求めていたのはそんなものだった。

愛とか温もりとか安心とか、確かじゃないもの、だけど欠かせないもの。


苦しくてポッカリ開いた穴を埋めたかったのかもしれない。



甘えん坊な美由里。
だけど強くあろうとする美由里。

矛盾や疑問が繋がった気がした。
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