ブラックコーヒー
「あ、杏?」



夢じゃないのか。


あたしが憧れていたものが、今、あたしの手の中にあるのか。



「うっちー。」

「ん?」

「好き。」



うっちーはおかしそうに笑いながらあたしを抱き締めた。



「昨日も聞いたから大丈夫。」




憧れてた。
ちゃんと愛されて、愛して。

愛にはまだほど遠いのかもしれない。


だけど、それでいい。

ゆっくり近付いていくから。



初めて好きになった人、
好きを愛へと。


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